トーマス・ベルンハルト『消去』

いつのまにかトーマス・ベルンハルト『消去』の新装版がでていた6000円高っ。
以前は上下巻でていたのが、まとめられたので値段が高いのは仕方ない。
しかしこの表紙をみてほしい、、

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かっこよすぎ!!!

買お(´・ω・`)

以下あらすじ

主人公フランツ-ヨーゼフ・ムウラウはドイツ文学者。
弟子のガンペティと文学について議論した内容を反芻していたとき、両親と兄が死んだとの電報が届く。この瞬間、フランツの故郷ヴォルフスエックに対する憎悪が溢れ出す!『電報』
故郷に帰ったフランツは決定的にわかりあえない妹達とともに葬儀に参加し、どうしようもない故郷すべてを消去すべく、小説「消去」の構想に思いをはせる『遺書』


一応二部構成になっているけど、そこで劇的な変化はがあるわけじゃないです。ひたすらフランツが故郷、家族(叔父さんのことは好き( ・∇・))をdisるのみ!!!あらすじもくそもない。潔すぎる構成。個人的に狂った感じのモノローグがある映画が好きなんですが小説も同様。「消去」は狂ったモノローグの羅列でフランツが1人延々しゃべりまくる。しゃべるというか脳内で考えたことを時に時系列無視してぶちまけた感じか。しかもすべての台詞が間接話法で表現されるので構文がめちゃややこしい。正直、ベルンハルトよりも訳者の池田信雄さんの方がすごいかもしれん。ベルンハルトに似ている小説家は中原昌也かな。中原さんは「紋切り型」で小説を書くことのくだらなさを、ベルンハルトは「間接話法」と「同型反復」で故郷ヴォルフスエックがいかに低俗な町かを描写する。

とにかく話が進行しない。
1p目から話が1ミリも進まないので爆笑しました( ・∇・)正直、1p読むのも500p読むのも変わらん、、「家族とそりがあわない」というたったこれだけの話をよくもこんだけ広げられるもんだ。小説や映画において意外な展開や結末ってマジでどうでもよくて、結局のところ定番の物語(成り上がり→没落とかね)に作者がいかにエモーションをぶちまけるしかないと思ってたんですが、「消去」を読んでそれを確信しました( ・∇・)

Hairstylistics の音楽聞いてるときと同じで最初は(´・ω・`)??って感じかもしれないが30pくらいになるとだんだんテンション上がってきます。テンアガo(^o^)o
あまりのしつこさにフフっ(´・ヮ・`)と笑ってしまうよ。
中原さんもベルンハルトも呪詛吐きまくってるんですが文章の端々に優しさを感じます。本人たちはそう言われたらうざいかもしれないですが、、

今回もただの紹介になってしまった、、
まぁとにかく「消去」おすすめなのでぜひ見てください。
お疲れ様です(´・ω・`)

消去 【新装版】

消去 【新装版】

死んでも何も残さない―中原昌也 自伝―

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